野菜や果物、肉、魚を扱う生鮮売り場。消費者が新鮮で安全な食材を手に入れるために頼りにする場所であり、その品質や鮮度は店舗の信頼性や顧客満足度に大きな影響を与えます。
今回はそんなスーパーマーケットの要(かなめ)である生鮮売り場をピックアップ。鮮魚・精肉・青果の部門ごとにどのような業務を行っているのか、働き手にとってどのような魅力があるのか、詳しくみていきましょう
スーパーマーケットの中でもとくに売上の大きい生鮮売り場。生鮮売り場が良質かどうかは顧客満足度にも直結するため、多くのスーパーマーケットが力を入れています。生鮮売り場とは、具体的にどの範囲を指すのでしょうか?
生鮮売り場は、スーパーマーケットや食料品店の中で生鮮食品を販売するエリアを指します。
生鮮食品とは、新鮮さが求められる食品のことで、具体的に鮮魚・精肉・青果(野菜・果物)がこれにあたります。
スーパーマーケットや小売業界では、鮮魚・精肉・青果を「生鮮三品(せいせんさんぴん)」と呼ぶことも。
また、食品ではないものの、同じく卸売市場で取引される切り花や枝物、球根といった花卉(かき)を生鮮食品として扱い、生鮮売り場で販売しているスーパーマーケットもあります。
そんな生鮮売り場は、店舗にいらしたお客さまがまず初めに見る場所です。
多くのお客さまが生鮮食品を選んでから店内をまわるため、「生鮮品が魅力的だからこの店に来たい」と感じることが、店舗選びの大きな動機になるのです。
まさに、生鮮売り場の良し悪しは、店舗の魅力を左右するカギ。
店舗の中でもとくに売上比率が高いエリアですので、スーパーマーケットごとに鮮度の高さや品揃えの豊富さを追求したりと、より特色ある売り場づくりに力を入れています。
生鮮売り場の仕事は、商品の在庫管理から陳列、加工、梱包、接客、在庫管理、発注まで多岐にわたります。
多くのスーパーマーケットで行われている一般的な仕事内容をみてみましょう。
生鮮食品は鮮度が命。売り場とバックヤードで適切な温度・湿度管理をおこない、商品の品質を維持します。
そして、売り場の状況や過去の売上データ、天候やイベントといった要因を考慮しながら、売れ行きの良い商品は切らさないように、反対に売れ残りが出ないように発注量を調整します。
仕入れた生鮮食品は、消費者が購入しやすいよう加工やパック詰めを行います。
精肉は用途に合わせた厚さやサイズにカットし、鮮魚は三枚おろしや刺身に加工。青果もカットフルーツや詰め合わせにして提供されることがあります。
パック詰めの際には、鮮度が伝わるようにラップやトレーを工夫し、見た目の良さにも配慮します。
加工やパック詰めを終えた商品は、重量や個数に応じて値付けを行い、バーコードシールを貼って店頭に並べます。
品出し作業では、売れ行きに応じて商品を補充し、陳列を整えます。特売品や旬の品を目立つ場所に配置し、魅力的な売り場作りをおこなうことも。
また、賞味期限が近い商品や売れ残りそうな商品には割引シールを貼るなどの調整を行い、廃棄をできるだけ減らす工夫も求められます。
ここからは、鮮魚・精肉・青果の各部門について詳しくみていきましょう。どの部門も専門性が求められますが、経験を重ねることでスキルが向上し、担当できる業務の幅が広がります。
鮮魚部門では、魚や貝類などの海産物を取り扱います。生鮮売り場の中でもとくに足が早い商品が多いため、鮮度を維持しながらの商品管理が何より重要です。
主な仕事内容は以下のとおり。
鮮魚部門に配属されたばかりの初心者は、まずは比較的簡単な作業(値付けや陳列)からスタート。
そして、徐々に包丁を使った作業に携わるようになり、最終的には魚の下処理や三枚おろしなど、高度な技術が求められる業務を任されるようになります。
お客さまへのアドバイスや調理法を提案することも多いため、魚の種類や美味しい食べ方に関する知識を身につけておくとよいでしょう。
牛肉・豚肉・鶏肉などの食肉を取り扱う精肉売り場。肉の品質や鮮度を保ちながら、部位ごとの特性や用途に合わせて適切なカットや包装を行います。
主な仕事内容は以下のとおり。
精肉部門でも、まずは値付けや品出しなど未経験者でも始めやすい作業からスタートします。
業務に慣れてくると、肉のスライスやブロックカットといった技術が必要な作業を任されるように。
さらに、肉の部位ごとの特性を理解して適切に切り分けられるようになると、より専門的な加工も担当できるようになります。
スキルを磨くことで業務の幅が広がり、キャリアアップにもつながりますので、食材への知識を高めておくことが大切です。
野菜や果物を扱う青果部門は、店舗の入り口近くに配置されていることも多く、いわばお店の顔。
ほとんどの商品は消費期限の表示がついていないものの、新鮮さが求められる野菜や果物は状態のチェックが欠かせず、「いつまで店頭に並べておくか」といった管理も非常に重要です。
主な仕事内容は以下のとおり。
青果部門でも、初心者は袋詰めや品出しといった基本的な作業からスタート。慣れてくると発注や産地の選定など、より専門的な業務を任されるようになるでしょう。
また、ここ最近は健康志向の高まりによって「オーガニック」や「国産」への関心も増しています。
旬や産地、栽培方法といったさまざまな知識を身につけることで、お客さまに商品の魅力を適切に伝えられるようになり、販売員としてのスキルアップにも役立つでしょう。
ここからは生鮮売り場で働く魅力をご紹介。生鮮売り場への転職を考えている方は要チェックです。
生鮮売り場では、商品の鮮度やおすすめの食材についてお客さまから質問を受けることが多く、会話を通じて接客のやりがいを感じられるでしょう。
固定客も多いので、常連のお客さまから「美味しかったよ」「またお願いね」といった感謝の言葉を直接もらえる機会が多いのも魅力のひとつです。
鮮魚、精肉、青果、それぞれの部門で専門的な知識や技術を学べることが、生鮮売り場で働く強みです。
たとえば、鮮魚部門では魚の捌き方や鮮度の見分け方、精肉部門では肉の部位ごとの特性に応じたカット技術、青果部門では野菜や果物旬や産地の知識など、実践的なスキルを身につけられます。
これらの技術は基本的に職場が変わっても通用するので、まさに手に職をつけられる仕事。将来的に転職やキャリアアップを視野に入れている人は、ぜひ習得を目指しましょう。
生鮮売り場の仕事は、早朝の仕入れ作業から日中の接客、夕方の品出しや補充作業まで、さまざまな時間帯に分かれています。
そのため、フルタイム勤務はもちろん、短時間勤務やシフト制での働き方も可能。自分のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方ができるでしょう。
生鮮売り場の業務には専門的なスキルや知識が求められるだけでなく、仕事の特性に合った素質も重要です。今回は3つにまとめてみました。
まずは、なによりコミュニケーション力が大切です。業務をスムーズに進めるためには、従業員同士の円滑なコミュニケーションが欠かせません。情報共有や意思疎通を大切にできる人は、この仕事に向いています。
また、お客さまとの信頼関係を築くことでリピーターが増え、売り場全体の活気にもつながります。
従業員同士とお客さま、両方とのコミュニケーションが得意な人は、生鮮売り場で大いに活躍できるでしょう。
生鮮売り場では、急な商品の補充や予想外のトラブルに柔軟に対応する力が求められます。
とくに、年末年始や連休の繁忙期や夕方のピーク時には急にお客さまが集中したり、商品の売れ行きが変動したりすることも。売り場の状況に応じて迅速に動ける人は、この仕事に向いているでしょう。
生鮮売り場での業務は、ほとんどが立ち仕事です。商品の搬入や陳列、整理整頓など身体的な負担がかかることも少なくありません。
筋骨隆々である必要はありませんが、長時間の立ち仕事や軽作業が苦にならない人に向いている仕事です。
もし体力的に自信がない場合は、短時間での勤務に応じてくれる店舗もありますので、直接相談してみるのも手でしょう。
鮮魚、精肉、青果と新鮮な食材がそろう生鮮売り場。各部門ごとに専門的なスキルが求められますが、段階的にスキルアップできる環境が整っているので、今後のキャリアにもつながる仕事です。
また、売り場ではお客さまとのふれあいが多く、感謝の言葉を直接もらえるのも大きな魅力。シフトの柔軟性もあるので、自分のライフスタイルに合わせた働き方をしたい人にもおすすめです。
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